新しいCopilot Studio: 2025年6月のアップデート

このエディションでは、2025年6月に発表されたMicrosoft Copilot Studioの新機能を振り返ります。

### Microsoft 365 Copilotにおけるエージェントビルダーの強化

Copilot Studioのエージェントビルダーに新しい知識ソースが追加されました。これにより、ユーザーはOutlookのメールやTeamsのメッセージ(グループチャット、チャンネル、会議チャット、アップロードしたファイルを含む)にアクセスできるようになります。この機能は、IT部門がポリシー文書や技術的なチャットを基にしたエージェントを構築したり、プロジェクトマネージャーがチームメッセージからレポートを自動的に生成したりする場合に便利です。

エージェントビルダーでは、最近の活動やクエリに基づいて関連する知識ソースを提案する機能も導入され、適切なデータを迅速に特定できます。これは、エージェントにチームが依存する知識を提供するための手段です。

### 知識の整理とエージェントの応答を導くファイルグルーピング

ファイルコレクション機能が強化され、ファイルグルーピングが追加されました。この機能では、ファイルセットに名前と説明を付け、特定の指示を提供することで、エージェントの回答をカスタマイズできます。たとえば、内部人事ポリシーや製品固有の文書をグループ化し、特定の条件が満たされたときにそのグループのみを参照させることが可能です。

### エージェントの構築と設定のためのツール体験の改善

新しいツールタブの体験により、エージェントが必要とするすべてのツールを簡単に発見、設定、管理できます。Outlook、SharePoint、SAP、Snowflakeなどの接続を一元的に管理することができ、アクションを追加するためのインターフェースも直感的に改善されました。

### プロンプトビルダーの強化

プロンプトビルダーでは、Microsoft Power Fxロジックを直接追加することができ、動的に値を計算したり、テキストを管理したりできます。また、新たにプロンプト評価およびテスト機能が導入され、テストケースを生成しバッチ処理で実行できるようになりました。

### Power Fx正規表現の導入によるテキストの検証と抽出の効率化

正規表現を使用することで、複雑なテキストパターンのマッチングや抽出が可能になりました。これにより、エージェントはユーザーからの入力から詳細を正確に抽出できます。

### チャット内シングルサインオン(SSO)の導入

チャット中にサービスへの接続を簡素化するために、シングルサインオン機能が導入され、エージェントがユーザーを自動的に認証し、ワンクリックで接続を確立します。

### マルチ言語対応の進展

生成的オーケストレーションが英語以外のすべての言語で利用可能になり、多言語エージェントをより簡単に構築できるようになりました。

### エージェント分析の強化

新たな知識ソース分析機能により、エージェントのパフォーマンスを詳細に評価できるようになり、未回答の質問をテーマごとに分類して表示できる機能も追加されました。

### Microsoft Power Platform管理センターの強化

エージェントの管理や使用状況の追跡が簡単になり、エージェントのライフサイクル管理がスムーズになります。

これらの新機能により、Microsoft Copilot Studioはさらなる生産性向上を目指しており、以前にも増してユーザーや開発者にビジネスワークフローを支援する能力を提供しています。

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